私が知花氏を知ったのは今から十数年前になる。ここ5〜6年はお顔を拝見していないので、その動向はよく知らない。私は十数年前、、生きる事に苦しみもがいていた。真理を追求して追求していたが、私の満足する答えはどこに探してもなかった。そんな彷徨う私に一つの光を照らしてくれたのが知花敏彦氏であった。このような話を今生聞けるとは全く思っていなくて、自分が生まれた時代を恨んでもいた。初めて彼の話を聞いたときの喜びは今でも忘れない。
彼は紛れもなく偉大なるイニシエートであった。この日本において荒野を耕し、道を切り開いた精神世界における先駆者であった。先頭に立って道を切り開く者がどれほど厳しい道であったかは想像を絶するものがあると思う。私は彼に対しては、感謝以外の言葉は見当たらない。今の私は、彼がいなかったらなかったであろう。彼のお陰で、私は意識はひとつであるという強烈な霊的体験を知識ではなく身を以て実感することが出来た。その意識が融合するという体験は、私にとっては未だに大きな体験となっている。
ここから話しがガラリと変わるが、そんな知花師は、かつて神智学協会でもあったような話であるが、己のグループのナンバー2という地位にある弟子を2度ほど自分のグループから追い出すという行動を取られた。
この事に関して葦原瑞穂氏がその著書「黎明」(太陽出版)で的確に詳説されているのでここで敢えてその文を転載してみたい。
霊的な学習をしていたあるグループの中で、指導的な立場にあった二人の人間の間に、ある問題の解釈について意見の対立が生じたことから始まりました。これが見解の相違というだけでお互いに状況を正しく理解していれば何ら問題はなかったのですが、双方が自分の考えに執着して相手に間違いを認めさせようと譲らなかったので、次第に感情的な対立へと発展していきました。このときに生じた否定的な感情の波動や、両者が「自分は相手よりも意識が高い」という分離感を持っていたために生じた波動によって、格好のチャネルする手がかりを得た影の勢力は、次々と自我意識に憑依していったので、事態は更に混乱を深めました。こうした騒動で調和が乱れた人たちの波動によって、グループ全体のヴァイブレーションが下がり、影の勢力が猜疑心や憎しみの想念を注ぎ込むのに、願ってもない状況が整ってしまったわけです。
グループ全体への波動的な影響を恐れた一方の指導者は、相手をグループから追い出すためにかなり無理のある対応をしたので、これがまた相手とその周囲の人たちの不信感を煽ることになりました。
(中略)
〜、二人の指導者と周辺の人達は、どちらも愛という観点からは、必ずしも適切な対応ができたわけではなかった上に、影の勢力が波動の乱れに乗じて注ぎ込んだ、様々な迷妄の想念を受け取ってしまった人達がいたために、事実と虚偽の入れ混じった、相手に対する悪印象を増大させるような流言飛語が互いに飛び交って、こうした迷妄に巻き込まれて振り回された人達もかなりいました。
このような状況の中で、愛のみを見続けることの出来なかった人達、他人を批判することにのみ終始した人達は、それまでに学んできた霊的な知識を、実際の生活では何ら役に立てられなかったという事実に直面させられて、その本質を全く理解していなかったことを明らかにされたわけです。
葦原氏のこの話は的確に本質を捉えているものである。幸か不幸か私はその当時、学びの場から離れていたので、この事件を全くといって知らない。後からそのグループにいた人達から話をよく聞かされたが、自分の耳を疑うかのような話であった。私は何故、このような話を持ち出したのかといえば、皆未だにそれぞれの信者たちは、自分の先生こそが覚者であり、聖者であり、大師であり、この人以外は偽者であると信じている。
秘教という観点から見れば、この話はよく見えてくるのである。どちらの指導者も第五イニシエーションを受けたアダプトではない。ということは、少なからずともグラマーを持ち合わせている。その域に達していない者達を祭り上げ、一方の指導者の欠点を見つけ出し、こちらの方が上であるとか、下であるとかやっているのである。
秘教の世界では第四イニシエートですら堕ちうる可能性があると言われている。かの有名なマクドナルド・ベイン氏ですら、第二イニシエーションを受けていない。第二イニシエートであったヒトラーは、パワーのイリュージョンに魅せられ誘惑に負けた。
詳しい話はしないが、知花氏も少なからずとも、パワーのイリュージョンに魅せられ、それに屈したところがあったであろう。私たちもその道において意識の拡大に伴って、間違いなくその誘惑に襲われることがあるであろう。私たちが言っている覚者、聖者というのはそのようなものである。
しかし、知花氏は偉大なる魂であったことは間違いのないことである。2000年に入る前の日本の勇敢なスピリチュアル・リーダーの一人であった。イエス大師は知花氏を通してオーバーシャドウにより現代の人々に言葉を残された。知花氏は大きな使命を持ってこの地上にやってこられ、天命を全うされた方であった。
偉大なる魂に心から感謝申し上げたい。